大人のゆとり

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今日はC6でした。

6型、YAMAHAのシリーズでは歴史は浅いかと思います。

ディアパソンなどは210cmはかなり昔からあります。

スタインウェイはB211という言わずとしてたピアノがあります。

 

 

6型は存在していたが、もともと施設系用だったかような記憶をしています。

鉄骨の色が金色から土色にかわった時期です。

この時期にピアノづくりの方向性もかわったように感じます。

 

 

この時代、40歳ぐらいの方が音大受験で新品をかわれたくらいの時代ですかね。

20年ほど経って

「タッチが重い」

そのことを当時購入された結構な数の先生からいわれたことがあります。

「普段使いとして弾くのが大変、直しにきてほしい、もしく板によい時代のものに買い替えたらよいの??」

 

新品の時から重い、というわけではありません。

ただ、以前より幾分重め、かとは思います。

今のSIGERU KAWAIとYAMAHAC3ではC3の方が重量感を感じやすいかと思います。手元の操作性もSHIGERU KAWAIが効きやすいはずです。

 

重い、という結果を受けてどうするか?

これが調律師の仕事です。

まず綺麗に潤滑まわりを洗い直します。

その後で、今日はポイントとなるところを少し。

 

 

また、ハンマーから出る音色も単色になってきやすいかと思います。

これは今のシリーズもトータル的なメンテナンスをしてもらっていないと、結局こういう推移をたどることになるのではないかと思います。

 

そんなことで、といわれそうですが、過運動をきちんと治すこと。

これも大きなポイントです。

 

ダンパーの持ち上がる運動量が多いです。

弾けばどんどんストッパーが上がってきます。

 

 

ここの調整をしなくてもまあ弾けます

ただ、弾く度に過剰に跳ね上がります。

これは特別な調整でもなんでもありません、基本中の基本です。

ただ重い、といわれてすぐにオイルや重量にアプローチしてしまいがちで灯台下暗しになりやすいです、「寸法がおかしいのはわかる、だけどそんなところ触ってなにがかわる」といったわけです。

 

ピアノのタッチは、人体の特性と密接な関係があるのを知られていません。

鉛を入れてタッチの重量を軽くしても???とさほどかわらない印象をもつことが多いのもここにあると思います。

いくら鉛で調整して軽くしても、タッチ質はかわらない、個人的にはそう思っています。

まず潤滑性、ピークポイントを正しく出すこと、横に揃えること、ハンマーの弾性、そして過運動、今回はここの点です。

 

大きなアクション、鍵盤が長く非常に良いタッチ感を出すのに適しています。

これはいくら3型を頑張っても調整できない、タッチの軽さとその指先の自在性は色彩のパレットに広がりを持ち得ることができます。もっと気軽に6型以上が広まってもよいと日々思っています。できれば7型。

音量の問題ではありません。7サイズで3サイズと奥行40cmとほどしか変わらない程度です。

 

 

アクションもぐっててみて良い景色。

森林浴を思い起こさせます(?)

 

みとれてないでネジをまわします。

単純な調整です。すぐにおわります。


 

タッチにストッパーができます。

人は少し触った感触を瞬時に記憶してそれを体でバランスを取ろうとします。

過剰な運動をまとめるために大きな筋肉を使うこととなります。結果「重い=しんどい」というわけです。

分銅で調べてもらって「この重さなら普通ですむしろ軽いですよ」「いや、でも重いんです」この繰り返しでは解決になりません。

 

土台を合わせをいつもどおり行います。

ここは常に動きますが、調律毎に行えば途方もなくずれきることはないはずです、が動きやすい。

さきほどの過剰運動の調整は比較的継続的な要素です、だからやっておけばしばらく安定できます。

 

 

少し材料が落ちてきた時期です。

ピアノも以前ほど爆発的に売れず、どこかにしわ寄せもいきます。

仕方ありません。

 

 

音が単色になりやすい要素は結構大きな課題として日々思っています。

調律、調整後は非常に良い音をしっかりと持ってくれます。

材質が以前ほど充分に使えなくともどこかの要素で補完していきたいものです。

 

作業おわって随分ピアノ全体が変わったんじゃないかと思います。

 

その後、お客様のところで。

すごい素敵なお家で、きれいなアトラスピアノです。

 

YAMAHAの50年ほど前のタイプ。

ジャックという部品が木製の時代のピアノ、この時代でよくある症状。

 

調律しはじめると、音がでなるくなる箇所がでてきます。

これは外装をあけて外気がはいって、内部に結露などのものが起こって動きが鈍くなることがあります。

このピアノもそう。

 

こういう癖をもっている場合、調律してもらって、さあ弾こう、あれ?音がでない!(というか調律中に音がでずらくなりますのでひどい場合は調律ができないこともよくあります)

調律してもらったら悪くなった!クレームとなります。

 

はじめての訪問ではご説明してから作業する方が無難です。

修理方法はセンターピンの全体交換で綺麗になおります、環境調整では除湿器やピアノに組み込むものでも良いと思います。

また外装を組んでしばらくすれば元にもどって音がでますが、もう部品が経年劣化、稼働劣化も含んでいますのでやはり修理するべきだと思います。

 

それはここまでで置いておいて。

 

調律がおわって

 

「車からおりるとき、良い音がきこえてました」

 

「バイエルからすこしづつやっています」とのこと。

 

大人の方ですが、先生にならって、

「いつか仲良しの体操クラブの皆さんをお家へ招いて、ポロンと一曲サプライズそれが目標なんです」と。

 

もし何かこちらから言えることがあるとすれば、、、と

「練習はそこそこに鍵盤遊びを覚えてみられてはいかがですか?簡単なコードを覚えてつないで遊ぶだけ、もうこれで弾き語りすらできます、ドミソの和音で弾ければできます」と。

 

自己表現。現代は入力の、INPUTのリラックスが多いように思います。

何か強い刺激を足すことで、負荷を塗り替えたりすること。それも価値のあることかと思います、ただ、本当の胸の内は告白することOUTPUTへ出力すること、それは自己表現といえそうです。

思い想いにその日その日のコード進行に乗せて遊んでもらえれば毎日OUTPUTできます。

出せればまた入れられる(やらないといけないことが元気にできる)

 

そしてこれこそがデジタルピアノで全く不可能なことだと思っています。

なぜかまったく身体的な高揚観や躍動感は発生せず疲労が蓄積されていきます。

以前先生にみせてもらったのが、先生が伴奏部分を弾いて、全くの初心者のおちびちゃんがぐちゃぐちゃ弾きでもいいからなんでも雰囲気で右をつけてもらいます。なんでもOK、手のひら弾きでも〇、先生の伴奏の音を聞いてなんとなく雰囲気にのって即興していました。

デジタルピアノでは子供が反応できないんだそうです。

心地よさを受けて、自己を発信する「感応力」にアプローチできないんだそうです。

 

また長くなってきました。

今日はここまでに…。

 

 

ご納品。

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ハリネズミ。

本物じゃないですよ。

 

 

ピアノは本物です。

先日YAMAHA C3をご納品させていただきまして、こちらの都合で調律を後日とさせていただいておりました。

ホワイトのお部屋に。

 

硬めお床だったので、やや吸音が必要で早速お試しいただいていました。

確かに響きがまとまった印象になっていました。

 

完全に満足した納品はとはむつかしいもので、それはほぼ無理なことでもあります。

その中で、どう理想に近づけていくか、どうため息をついていくのか。

 

 

今、基本的に理想と思うのは素早い立ち上がりをもちながらピアニシモからフォルテで割れずどの音域でも素早く満ちる弾性をもった音、それを手元で連続性として弾奏でき、過不足なく古典が弾けるピアノです。

ロマン派ばかり弾けるピアノではダメで、逆です。

これは調律師が安易に陥ってしまいやすい代表的な一つの状態ではないかと思っています。

 

しばらくずっとこの思いを持ち続けています、ということは実現できていないということです。

納品して少し経過して大きなずれがなかったので、ひとまず安心しました。

 

整音に過剰に何もこだわってませんが、ピアノの整音で、先端を突かないというセオリーがあります。

これは一つの可能性を完全にふさいでしまっているといえます。

和音の連続した動きに成約がかかってしまいます。

完全に垂直に整音してもやりようによってはそれだけで良い感触を出すことができます。

 

お客様には少し柔らかめに作っておきました。とお伝えしてお渡ししました。

 

 

日々の生活に少しの時間をピアノを前に、大きな楽しさを感じていただければ、そんな時間を過ごしていただければ幸いです。

良い状態を継続的にしておきたい、となると継続的に良い状態を保ちやすい素材に、部品に、調整、調律をすることだと思います。いくら弾いたときが良くてもそういったことなくしてまず保てません。新品も同様でピアノは弾き方、環境、管理で相当に変化します。

 

ピアノのハンマーはこちらはオリジナルですが、少しAbelハンマーの時期が長かったですが、レンナー路線に再度戻ってみても良いかもと思っています、以前より多少の幅のある技術から想いを寄せてさらなる秘策を思いつきました。

またご紹介します。

 

お客様にUP、撮影のお願いして撮影させていただきました。

以前は、環境保護の仕事か動物にかかわる仕事がしたいと思っていました。

 

 

ピアノはかわいい、って概念があるんですかね?

外観としては思ったことはありません苦笑

 

ピアノ椅子など

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先日、グランドの中古品をご成約いただきましたお客様とピアノの椅子の打ち合わせでした。

イタリアの会社ですが、輸入できます。

ピアノ椅子のメーカーで、質感もよく、スタインウェイやベヒシュタインなどといっしょに買っていかれることが多いもので、主に輸入ピアノは木目系が多いのでそれと合わせて、ということともいえます。

 

日本製よりより洗練されていて、思わず目に留まります。

 

 

椅子は4〜5万円ほどが多く、日本製でも3万円ほどしますからねらってみられるのもよいですね。

楽譜置きもあります。

 

 

ヨーロッパの流れを組むピアノなので、ひょっとしてとご提案させていただきましたら、ご興味もっていただいて選択してもらっています。日本製でも良し悪しあるタイプも存在します。

最近メーカーさんよりお電話もらって

 

「ピアノ椅子どちらのお使いされてます?」

と、こちらはつい

「というより御社で製造されていますよね・・・?ダメなんですか?」

 

と聞き返してしまいました。

工場の精度が落ちていたりと、色々問題抱えていたりとあるようです。

 

ピアノの下に敷く床下地材の製作してもらいにいってきました。

他では手に入りません。

 

40キロほどあります。

かなり重いですが、質量=遮音につながります。

防音、という意味では防音部屋を入れるのが確実だと思います。

どこかを押さえても、結局下に配管がとおったマンションであればそれを伝ったり、窓の関係などあげればきりがありません。

 

 

防音室もDR35、などそういった表示があっても、お部屋にいれてそれだけの効果があるかどうかは確実ではなくその他のお部屋まわりの要素がついてまわります。

本当に難しい問題です。

 

 

後、ピアノの椅子のあたりを製作してお届けとなります。

床を浮かしてあります。

 

防音室の専門家に聞くと、設計基準が設定されていなくて同じDR40タイプでも全く違うものになると。

通常、ピアノステージといったピアノを載せるステージのような床下防止のものが一般的ですが、ご予算のご関係や板の質感色々なご要望にできるだけ歩み寄るようにさせていただければと思っています。

その中で手に残るものがあって、またこちらの楽しみもあるものです。

 

単音の音色

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今日はC5Xでした。

現行品で、ほぼ新品の状態です。

 

現行品C5は、個人的には一年普通につかっていただいても、随分土台まわりが動いたり、調律が荒れてきたりと一年弾けば動く要素により乾いた要素の雰囲気を持ち始めます。

単色で色彩が感じにくくなる感じです、本来は豊かな和声をもっていますが、弾けばそんな要素も動くのも当たり前です。

 

 

どの時代が良い悪い、というより基本的に一定のことをやらないと何も判別できません。

言えることはそれぞれいいところが必ずもっています。

 

 

YAMAHAは時代を問わず少し手元で調整してあげないと、冷ややかな高音。

これがやや耳につきます。

「調律」で調整してみようというわけです。

 

 

つらつら文章かいていてもしょうがないので、いつも動画で、と思いながらも、今回はさっとだけ撮らせていただけました。

新しい新品程度のピアノ、また基準となるCシリーズなので良い素材かと思ってしてみました。

 

前半左側の音は響きが色彩が幾分豊かに聞こえませんか?

非常に優しいタッチで調律して響きをのせてもっとも開いた音で合わせていきます。

妖艶な艶やかさをもたせて少しやってみました。ふわっとした広がりが弾いた後にありませんか?

 

後半右側は比較的単色なベーシックに近い感じの単音で一般的に国内で良しと採用されるメジャーな調律をイメ―ジしました(が、完璧にはそうなりませんでした)

アタック音もやや強く感じられ角張っている感じ。

さらにその方向性を強調して「合わせていく」と、調律したのに音の響きが乗らなくなった、と逆に首をひねられることにもなります。

いい意味でいくと安定感がある感じ。

(ただ、いくら敢えて平坦にしようとしても幾らかの響きをのせる気持ちが根底にその調律師に残っている以上、まったく平坦に作れなところがあります。なので響きをなくすベーシックな調律はもっとフラットになります)

 

たまに音をずらして響きを出してるの?と調律師から言われることがありますが、全く逆で心地よいポイントは実に微細なポイントにしかなく、強調ポイントが違うというだけです。うまく和音を重ねると夢見る美しさを作り出すこともできます。

 

調律のみ、の変化で整音などは一切手を入れてません(結局最後までしませんでした、調律が「整音」にもなるというわけです)

ピンの操作、弦へのテンションの掛け方、調律時の鍵盤の触れ方、その他もろもろで全く違った音の世界が現れます。

「調律」だけでもタッチを軽く、柔らかく、全く別のピアノへ変化させることもできます。

なので、作業者の音への思いや動機づけ、がいかに大きなことがわかります。また、いくら新品選定を数台しても調律の仕方だけで随分変わってしまいますし、その他の調整も同様です。

 

こうしてYAMAHAの確かな裏付けのあるアクションや精度の良さはそのままに、欧州ピアノの色彩美によう、照らすしていくこともまたできるんでしょう。ある一面が独り歩きしてその機種やメーカーを表現されているのはやや悲しいと思うことがあります。

 

ちなみに普段練習したことのない左手のチューニングピン操作でも全く同じことができます。

動機付け、思い、それが音になります。

物理を超えた場所でこそ価値ある楽音は存在しています。

工具をこうもって、こう削って、こうやってこう接着して、ここにこう針をいれて…。

それ以前のものがあるのではないかと。

 

演奏もきっといっしょのはず、自身のその美しい母国語でこそ語れるものそのネイティブな感性を聴衆に届けてほしいと思います。

健やかな病観

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今日は展示のC7のベースアップをかえってからしていました。

展示品、次から次へとやることだらけです。

少しづつでもやれるときに。

 

C7のアクション。

 

当時はC3とC5が同じアクションだったのではないかとおもいます。

7になると急にアクションの構造がかわり、セクション割がかわる、結果全く違った響きをもつことになります。

 

低音の鍵盤の長さ

 

高音の長さ、7型のアクションでは5cmも違います。

タッチも理想的になり、より弦に適切な打点が可能になります。

より自然な、ということはより普遍的な楽器へなることは大変大きなことで、単純に容積がおおきい、弦がながい、といったこと違った大きな変化があります。

 

 

ハンマーも7型専用を搭載されていてサイズも微妙に違います。

このピアノもハンマーを新しいハンマーに交換して継続的、理想的な響きを求めて交換するかとハンマー工場へ連絡をとりましたが、ちょうど用意があるとのことでした。

なぜ交換か、というと継続的に良い音を提供すること、これが大事なことです。

調律は年一回です、その間どう推移するのか、どういったことでこのことをクリアせんとするのか。

ハンマーの交換もその選択にはいってくるというわけです。

ただ現状で消耗はほぼなく、そのまま非常に良い音が出るので悩むところです、交換すれば値段も上げざるを得ません。

 

 

明日、弾きにきてもらうので感想を聞いて考えようと思っています。

 

さて、題名についてです。

インフルエンザが大流行しています。

 

自身は風邪以外の病気にあまりなったことがありません。

風邪になったとき、これはなかなか大変ですよね。

日々につまらぬことを抱いて盲目になっている時間が本当に贅沢に感じるのは自身だけではないでしょう。

 

東日本大震災がきたとき、翌日程度に先生のところへ調律へいって

「日々、しょうもないことに腹を立てて恥ずかしい」と言っておられました、今でもはっきり覚えています。

 

発熱してつらいとき、自分の扱われ方やプライド、思われ方、見え方で腹をたてている余裕がありません。

大丈夫?と暖かいものを用意してくれて、暖房がきいていて、冷蔵庫にポカリスエットがあればものすごい助かります。

 

たまに死ぬ前になって初めて後悔するだろうこと、なんとなく今からでもわからないでもありません。

どんな諸行にも時間は刻まれる限り空白はないんでしょうが、ああなるこうなるときになってしか後悔できないこと。

だいたい意地やプライド、変身願望の類に集約されるような気がします。

 

ヨーガの各ポーズ、これは体を変化させ、身体的に何かになりきる、身体からどういった精神を感じられるのか。

病のポーズとは聞いたことがありませんが、では死体のポーズで先に疑似的に一度死んでみる、現代人は忙しすぎて週一回、いや毎日一度死んでみてもよいのかもしれません笑その身体観から明日をどう過ごすのかその真意がみえることなのかもしれません。

亀の呼吸をまねて亀は万年、その生命力にあやかってみようと。

 

本当はそれこそ調律で身体が調律されないといけないはずで一日何台こなしてとやっているうちはある意味であまり健康的といえなさそうで、大きく言えた立場ではありませんが…。

 

病での見える語れることが健康で逆になってしまいがちなのはよくよく考えると変なことですね。

 

やること沢山

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今日はC1でした。

このタイプは非常に調律師にとってもむつかしのではないかと思います。

コンパクトな分、誤魔化しがきかない難しさがありますし、少しの要素でピアノも右往左往とするように感じます。

 

まず調律で音を作ります。

調律の音は調律師の音ともいえます、陰影をつけるのも仕事です。

このオーケストラまるごと納まった楽器、音をきめるのは調律師だけです、そうおもうとなかなか贅沢な仕事ともえいます。

 

 

C1の時代になるとYAMAHAの基本的な設計にフルモデルチェンジがかかった時期にはいった印象があります。

おそらくメーカーはユニゾン的な要素からハーモニックな要素を重視しようした時期ではないかと思います。

しかし、高音の冷ややかなところは同様で、これはこんなピアノ、メーカーと言ってしまっては始まらないのは事実です。

 

冷ややかさ、これは粗さに要素も含んだ表現として使っています。

荒さというのは、そのままで、弦の錆や黒ずみ、そんなものも冷ややかにつながります。

汚れなども同様です。

内部の埃などを吸っていきます。

土台の調整。

これがとても大切で、タッチが起きてきます。

時計でいくと5分くらいの角度を調整するだけです。

ものすごい少しだけです。

先日同様、冷ややかさにつながる要素として、鉄骨のバリがあります。

触ってみると、ザラザラしていて、一直線に指が流れません。

 

ここは実際響きがのる箇所ですから深刻な問題です。

実際弦の響きの余波を鉄骨に響かせてある設計で、ここの鉄骨輪郭を整えるだけで結構音が変わります。

痛みのある音の輪郭が緩みます。

 

 

アクションがある程度整ってきた、調律もそこそこに、ハンマーもこれ以上さわっても一進一退。

潤滑調整、鍵盤調整もそこそこに。

こうなってきたときに、課題が残ることはよくあります。

広く見ると、いつもあります。

そのなかで妥協に至らない仕上がりがあるときはあります。

そのときにどこを検討するか、どこにも問題が見つけられますし、改善点はあるでしょう。

その時にこういった要素や、ボディ全体の響き(設計)に想像力の翼を広げて検討してみようかとそういったことです。

想うこと、きっと試して余りあることは溢れてきます。

 

 

ピアニストのグルダも、「技術が先と思われるが実は逆なんだ」といってました。

自身も体調が整わない時はまったくよい仕事になりません。

沸き立つものがないと。

 

少し話が飛躍しますが、カルクブレンナーという当時の巨匠ピアニストがいました。

ショパンの先輩で当時ショパンも敬愛し尊敬するほどすばらしいピアニストだったようです。

ショパンの協奏曲1番、実はカルクブレンナーの協奏曲と酷似していることはよくしられています。

ただ楽譜をみてみるとショパンのそれとは比較はできない、やや月並みな印象を受けます。

ただ、ショパンがそのうえから書き直したかのようで、影響は色濃く受けたようです。

YOUTUBEなんかで簡単に聞けます、ショパンのルーツも垣間見れるようです。

 

 

そして、この協奏曲を完成することには練習曲を書き上げている頃のようです。

そうみると書法としては、この1番の協奏曲は当時のショパンにしてはやや青臭いところ感じさせます。

わざわざカルクブレンナーの影を纏ったこと(献呈もカルクブレンナーへです)彼がカルクブレンナーから脱皮したところを示したかったのか、そのわざわざ纏いながら、感情的な高揚をすべて書きまとめるあたりちょっと常識を超えた作曲家ですね。

 

ただ、手紙よりショパンは当時「彼は比較できないほどの巨匠」だと評しています。

 

ショパンは実質的にはピアノは習ったことがないといわれています。

このカルクブレンナーに誘われ、習うことを随分悩んだようです。

 

後年ホロヴィッツは「せっかくのショパンが台無しになるところだったと」と評しています。

 

ショパンの翼は自らによって開花させたからこそ尊かったのではないかと。

ただ悩んだところにカルクブレンナーやリストのようなヴィルツォーゾに、そんな一端の思いがあったのかもしれませんね。

 

 

ご納品ほか

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まず、納品してきました。

YAMAHA U3A 

商談がかかるといつも重複します、以前マーフィーの法則といったものが流行りましたね。

今回も1日のタイミングでした。

 

お客様が譲れないといった雰囲気で言っていただいたのですが、一台しかないのは仕方ないところでもあります。

 

かなりヘビーに弾かれるお客様のようでした。

こういった部品を組み合わせます。

技術者でも知っている人は少ないのではないでしょうか。

このカバーをつけることによりピンの脱線を防ぎます

全てに体裁よくつけることができればよいのですが、隙間が非常に狭い場所で補助として活躍してもらいます。

YAMAHAのピアノ。

個人的にこのメーカーの一つ気になるところは冷ややかな高音です。

整音でどうでもなる、と思われるかもしれませんが、設計成分、音色成分というのは甘いものではなく、一次的なものでは意味が薄く、土台としての鉄骨の製造や鋳造温度、響板の製造工程にも大きく起因しているようで、だからこそ独自の言語ということになるのですが、この冷ややかな高音を少しでも手元で暖かくしたいものです。

 

これは内部の鉄骨の製造時のバリです。

グランドはまだ落としてあるのですが、アップライトはバリが見えない場所になりますから、そのままほったらかされているような気がします。

荒れる⇒冷える という音色の成分とやや似ている雰囲気をもっています。

こういったバリをなぞって緩るやかにしてあげます。

 

粗いペーパーでは傷がはいるので舐める程度に全体的に当ててあげます。

手で触って触り心地で判断します。

 

出来上がってきたピアノほど少しの要素でピアノが変わりやすい気がします。

鉄骨の外周のバリ、内周も手入れすることで全体の輪郭が緩む傾向がします。

 

バリがでまくってそれが良いという基準は基本的にはないはずで、一度してあげると整音などと違って継続に効果が見込めます。

もちろん、他の直接的な要素を押さえてから、というのは言うにも及びません。

 

ディアパソンはいってきています。183BG

近年人気も高まっています。

早速アクションをもってかえってきています。

外装も明日から開始します。

 

ディアパソンは全体的な木製を仕様としています。

KAWAIと大きく違うところといえます。

 

人工象牙。

 

鍵盤鉛も明らか出荷時にに人の手で調整した後が見受けられます。

 

キャプスタンの形状。

ここは鍵盤の奥側で突き上げますからタッチがかなり変わります。

YAMAHAより小さめです。

木製のアクション。

木製にこだわったアクションが顕著で、上記のような手作業を含んだ一台です。

来週の週末には一旦修理を終えて弾けるようにと思っています。

 

ディアパソンがいつもきまって早くでていきます。

気になる方はお声かけだけでも早めにしておいてください。

 

KAWAI KL502 マホガニー

驚きの入荷状態ではいってきました。

これだけ良い状態のものはここ一年の中でも1,2です。298000円くらいになると思います。

今からこちらも修理調整です。

 

消音つきのKAWAI USシリーズも再入荷。

こちらも今から修理調整です。

KAWAIの純正消音つき。

 

全て一般ご家庭からの入荷です。

 

講師の先生の勉強会でした。

外から講師の方がこられて、ブルグミュラーを題材にしていました。

ブルグミュラーって実は会社にはいるまで名前だけちらほら聞いたことがあるだけで、全く知りませんでした。

自身はバイエルも何もしたことがありませんがこの曲集、どうも非常に優れた曲のようです。

先生方から「そうよ」という返事がすぐにかえってきますが、その何倍の意味で秀逸といいたいところです。

 

 

相当技量のあった作曲家のようです。

明確、ピアニスティックに書かれていて、特に18番?の方はピアノ書法のイロハが詰め込まれているようです。

バッハがインベンションを書いたように、そのあまりある技量でわざわざ小さくまとめてみた感じ。といいながらすべては知らないのでなんともいえませんが、数曲きいただけですぐにわかるものでした。

 

少し長くなってきたので、一旦ここまで・・。

 

 

時期の症状

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今日は、時期的な症状でした。

この時期、暖房の影響で内部の結露がすすんだり、結果錆が固着したりと動作が悪くなることがあります。

 

主にグランドで起きる症状でダンパーの止音不良です。

これはけっこうやっかいなこと多いです。

 

スタッカートで弾いて音が残る症状

 

 

原因色々とあります。

すぐにこの白いフェルトのところをガチャガチゃいじったり、ワイヤーをまげる前になぜそうなっているのか?と突き止めるのが大切です。

一般的にフェルトをどういじって直すか、というのが多いように思いますが、まずどういった経緯でそうなっているのか、大切です。

自身の経験では、「元にもどせば直る」と思います。

 

 

外してみると。

弦の錆がだいぶまわっている感じ。

まずここを薄くやすって掃除します。

動線の色目が明るくなったのがわかります。

まず接点を綺麗にします。

 

ダンパー自体は湿度をもっていません。

動きが固まっての症状は結構多いのでまず確認はします。

 

ダンパーはずしてみて。

黒い筋が走っているのがわかります。

ワイヤーの動作も問題ない、でも止まらない、フェルト曲げても直らない。

この横にはしっている筋は弦の金属汚れがたまっていて、音がまさに止まる瞬間のおさまりを邪魔してしまっています。

 

 

掃除して。

綺麗にしてあげて。

 

どんなにがちゃがちゃああでもないこうでもないとフェルトを切って、ワイヤーまげても直らないものがすっと直ります。

自身も学生時代もフェルトの曲げ方などを習いましたが、あまり実践では使っていません。

ワイヤーの動作が普通、潤滑まわりが普通ならだいたい直る、という感触が強いです。

 

上記のような症状は、だいたい左右の部品なども起きておりやすく、次方次へとなってくる恐れがあるのであれば弦の全体掃除とフェルトの交換も良いかもしれません。

 

元にもどす、というのは当たり前のようで、上からどんどん積み重ねる前に、元へ戻す。

というのが何より安定的な結果を生むことは他の調整も同じことといえそうです。

 

定期的なメンテンナンスはとても大切で、調律=音の狂い直し と思われますが、毎年弦の手入れなどもチェック、掃除などしてもらったり、湿度の調整もしてもらっておくと随分経年劣化が変わってくるかと思います。

 

C3の出荷調整。

 

中古品の出荷の調整は、特に当店はかなり大きな意味があります。

というのは、やることが結構あって合間合間で展示品の調整をしているとまだまだやり残していることが多いです。

 

弦やピンまわりのお手入れを行って。

大量の綿棒を使用しました。

 

YAMAHA KAWAI ともに弦と鉄骨の干渉でビビッ!と音がでることがあります。

これは弦を外して鉄骨を掃除します。これもまた上記と同じです。

 

スタインウェイも同様です。この鉄骨に直接弦をかます、方法は多くのメーカーが採用していて、結果音の華やかにできます。

ベヒシュタインは以前はこうなっていなくて、その音は不必要だ、といった設計をとっていました。

しかし現在は同じこの、カポの仕組みなっていて、時代の流れでより華やかで遠距離性の音を求められているのかといったことを感じさせる結果となったといったところでしょうか。

 

 

まもなく出荷です。

あとどれだけ本当の意味で、元へもどせるか、といったところです。

朱に交われば…。

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ピアノを少し離れますが、日々悲惨な事件も起きていますね。

ニュースが目に入っては、なんで??と思うことばかりです。

 

そして多くのひとが、なんで?だと思います。

少し前、テレビで見に入ったところがありました。

最近なので見た方もおられるかもしれません。

 

裁判官に選ばれて、裁判員として立ち、その事件と接するに、被告の方を絶対許せないと感じたそう。

ですが、事件の全容を見えるにつれ同情する心も出てきたそうです。

被告と裁判員、二人に共通の不遇な生い立ち、似た境遇の接点があったそうなんです。

 

どんな辛い幼少期少年期だったかよくわかる、もし事件当時、もし同じ境遇だったら自分は本当にそうならなかったのだろうか?

 

勿論、被害者のあらゆる形の救済は第一であるべきなんでしょう。

ただ、体裁の良い抑止力を構築していくだけが、幸い、その朱にまじわらなかった側の人の役割なのかというとどうなのかと。

 

以前、自身へ祖母が「あんたは幸せ一杯」

もう成人していた時期だったと思います、祖母も深い意味をもたずになにげなく笑顔で投げられた言葉が記憶に残っています。

普通に生まれて育って通って、あれ欲しいこれ欲しい、なぜ叶わない、と普通の子と同じこと不満を言ったりしてました。

そしてここに座っていれること。

選びたくて選んだわけでも選べたわけでもないこと、その朱に交わることはなく育ちました。

 

本当は誰だって体は常に治りたがっていることでしょう。

 

たとえ日ごろの微細なことでも、大勢他人がにできない何かが、その言葉一つ、身振り一つでもしようと思えること、それができることがあるのならそれまた、その朱に交わえた人の大きな果たすべき役割といえそうです。

 

と、不摂生の日々に久しぶりに健康気功の体操で体を動かしていると、頭によぎっては記事にしてしまいました。

 

先日、調律訪問先でカレンダー。

飾ってくれています。

ほっこりました。

 

今日の訪問先。

KAWAIのピアノ。

自分の調律学生時代の同級生が勤めている会社の方が以前調律した後をいきました。

もうやめてしまったのですが、大変有能な同僚でした。

彼ほど優秀な調律師は会ったことがありません、しかも年下です。

 

 

調律による響きの変化、それは比較的早くに気づいていたのですが、彼が実践してくれたのを覚えています。

物理から入る調律ではなく、聴覚からはいる調律師でした。

本当に珍しいと思います。

あそこがああなっているから正しい、というわけではないんですね。

絶対的に聴覚、触覚判断ですべてをとらえていきます。

結果的に物理的にも正しいという逆の切り口です。

自身のあちこちに彼の残像がずっと残っています。

 

内部の汚れ落としが重要です。

もう少しよくできないとね。

 

やめてしまった近くにいた(場所は離れていましたが)二人がどんな経験ある立派な技術者よりなぜか極端に優秀な技術者でした、残念。

最近の仕事まわり

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さて、体験レッスンが先日ありました。

音楽ではありませんが、教育で従事されておられるようでした。

我々も訪問先で色々な職業の方と出会いがあります。

 

 

特に個人事業をされている方のところへいけば、色々と経営観のことや金銭勘定のことなど、応対に関してなど、時にしっかり指導されることすらあります。

職業病、という言葉があります。

就職すると、特に同じ身振りの繰り返しになりやすいといえそうです

体、筋肉、神経も同じ身振りが多くなって、業種ごとに見える視野も似てくるようです。

 

さて、今回は生徒さんは先生なのですがとてもピュアな方で、小ややこしい雑多な説明もさっと頭に通っては、裏をかかず自分の気持ちをその時々の体温でお話しされるので、こちらも壁がなく話ができる方でした。

 

正直者は救われるとかなんとかと言われますが、確かに意地とか自分の立場とか損得勘定しすぎると、自分で自分をどんどん狭くしていくんだろう、痛感させられてしまいますね。

 

さて、先日催し物の調律へ。

コンサート形式のものは必ずピアノの位置きめを行いますから、必ずピアノのキャスター駒の向きも変わります。

まずいってする仕事はこの位置を調整しなおします。

コマを本体中心より放射するようにします。

 

これは必ず奏者が弾かれる前にします。

色々理由もありますが、これが変わるだけでピアノバランスがかわってタッチのさわりが相当に変化します。

もしはじめからずれていてそのまま使って、休憩空けで同じピアノを同じ奏者が使う場合、そのままの方が良いかもしれません、さわりはじめで奏者が「あっ」と思います。

一度それで慣れてしまった状態で弾いてしまっているので休憩合間でなにがなんでも適正に直すのが良くないことがあります。

特に底辺まわりはそのようなことが多い気がします。

 

 

当然、仕込みの状態では適正をとります。

昨年と同じ主催者の方と奏者の方だったようです。

 

 

 

同じようなコマの位置調整(新型C7)

床の材料や、絨毯などでは位置を動かすと丸い方が残ってしまっているので動かすとそれが見えて見栄えが悪いこともあるので、どこでもやれるわけではないところもありますが、基本は基本です。

 

こちらは最近の仕事で、かなり新しいC7です。

大型ピアノはピアノによってどうまとめるのが良いのか悩むことがあります。

基音と倍音という言葉があります。

日本のピアノ教育は前者を感じさせ、欧州では後者だと。

調律師の世界でも同じようなものを感じなくもありません。

どちらが正しいとも思いません。

逆に調律師の「いい音づくり」に関しては倍音倍音と言われすぎているような気もしないでもありません。

もちろん、美しい音、というのは豊かな倍音想像をにいかに寄与するか、があってこそなんですが、度が過ぎると独り歩きをはじめてしまいます。

美しい音の定義はない、当人の無垢な心にだけ宿ってたとえ汚い音でも美しく聞かせることはできる音こそは「楽音」として迎えられる音になるのではないかと。

 

昨日の仕事ですが、数年調律が開いていたKAWAIのアップライトです。

35年ほど前のタイプでしょうか、この時期、皮がもけてきやすい材料をつかっています。

また樹脂の箇所も多いので、静電気をおびてかなり埃がたまります。

そのままにしておくと湿気をため込み、虫くいの原因にもなりやすいです。

 

 

しかし、ここまでなるということは

 

「タッチ強いですか?」

 

とお聞きしました。

「娘、結構強いですよ」

 

それなりのタッチであれでここまでなりませんが、タッチが強い場合はやはり消耗が激しい結果となります。

弦にもまとわりついてしまっています。

 

掃除機ですっていくのですが繊維にからんでもう大変。

アクションもってかえって、こうならない本革などのスキンに変えることをご提案しました。

さらにひどくなると、タッチができないほどスキンの断片が邪魔をすることがあります。

 

 

いずれにしても6年ほど調律が開いていたようです。

やはり毎年調律を行い、内部の湿度の調整やタッチの潤滑まわりもしっかりやるほうが良いと思います。

 

もどって鍵盤の重量調整です。

このピアノは重量自体でかなり重いピアノでした。

鉛を入れたりするための穴をあけます。

 

鍵盤重量調整は、重要かもしれませんが、それ以前にやることがあります

ですがあまり重量が過剰な場合はやはりなおすべきかと思います。

基本的にきちんとしたタッチ感がでるようなピアノは、必ずもとにもどるはずです。

 

 

色々と一気に書きました。

 

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