入荷下見

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昨日は大阪へグランドの引き取り下見へお邪魔させていただきました。

なんでもディアパソンの183E、あまり弾いてなかったとのことでみさせていただきました。

 

ウォールナットの183Eでした。

 

Eの時代は、大橋氏の設計をKAWAIが作っていたタイプです。

設計図が違うと、もう別もののピアノです。

以後のKAWAI系のものは太く厚みのある感触とタッチがあって、太くまろやかなラインがあります。

大橋系は、本家ベヒシュタインの雰囲気のあるやや華奢な音の細さ故、できるドイツ系の郷土色を感じさせます。

大橋氏の思想、息吹があるものはここまでのタイプを狙わないといけません。

触らせていただいて。

 

よく状態がよいですから、といわれて見に行ってさほどでもないことも多いですが、荒い使われ方は一切なく、マンションでしたので湿害は全くない状態で、金属まわりまでまあ綺麗なもんでした。

象牙、黒檀仕様はこれまた希少です。

さらっと触らせていただいて。

 

その線の細い、古典的、バロック的な雅なラインをそのまま残していました。

まさに「楽器」としての思想が根付いた国産量産を枠を出たピアノとして立っていました。

スタインウェイは遠距離のホール型楽器とすればこちらは近距離、お部屋やサロンのレベルで満たせる楽器といえそうです。

弦も太いものを採用されていて張力からの倍音構成もベヒシュタインを模倣しているといえそうです。

183Eはかなり見てきましたが、状態が良いものが結構少ないといえます。

 

多少傷んでいようときちんと修理すればよいのですが、修理も同じ時代のYAMAHAより一歩二歩進んでやらないといけないことも多く、そこにコストや細かな技術あってこそでまたまたむつかしい問題もでてきます。

 

また具体的に進んで再生過程へはいらせていただければご報告いたします。

暑いときの仕事

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なかなか厳しい季節になってきました。

特に工房作業、とくに外装まわりは、作業にはいるとかなり身体的にぐったりきます。

こうゆう日が続くと結構作業に向かうのも厳しさを感じますが、やってしまうと集中してできるもんです。

 

こうゆう季節にはいってきますと、逆に、研磨作業、つまりポリッシャーで外装修理する作業があるのですが、この作業をすると気持ちが切り替わります。

なぜかというと電動工具は危険です。

 

「自分のペースで仕事はできない、工具に合わせないと」

 

特に硬いものを研磨するときは、それこそコンクリートを割っていくようなトルクでやっていきます。

下手すると大けがになります。だから暑くても否応なしに真剣にならざるを得ない、ダラダラできないというわけです。

こうして文字にしてみると気持ちが緩んでいるだけなんですかね…?

克己心、まさにそんな時期です。

 

 

やっているうちに気持ちがどんどんはいってきます。

それを分かったうえでやる、といった形です。

 

しかし結構疲れました。

栄養ドリンクをどんどん飲みたくなります。

 

別件の3本ペダル交換においての過程です。

先日かきましたが、こういった作業において2本から3本へ交換することだけが意味ではありません。

緑のクッションが新しくなります。

普通は相当いたんでなければ「まだまだ使える」でそのままです。

確かに使えます、こういったクロスは減っていてもまるっきりなくなりことはほとんどありません。

 

 

使えるといえば使えます、ただ弾力がなくなり、オンオフといった形の味気ないペダリングになる要素になってきます

ここにペダルがはいります。

 

ペダル、磨きました。

ここも潤滑性をあげれるのです、こうしてばらして交換するときには。

ここです。

ここがくるくると回転します。

汚れをすっきり落とせます、ここもこのためだけにまずわざわざここまで分解はしません。

ペダリングというのは調律師が思っている以上に音楽の輪郭や全体の景色をきめていく、特に良いピアニストほどこだわるでしょう。

硬化したゴム、ここもです。

左新品 右使い終わったところ。

ペダルの棒がはいります。ここは雑音になったり不安定になったりします。

ここもすべて交換できます。

 

C3Bもようやく綺麗になってきました。

アクションの修理は一通りやるべき工程は終わって、あとは本体と合わせていく前段階までこれました。

アクションを本体へ組み込んで、正直な気持をここで書くと怖いのです。

 

どんな音になるのやら…。

どんな音になっても、調律師はそれを調整して息をのむピアニシモの景色を奏者に届けないといけません。

出てきた音に、このピアノはこんな個性だからかな??

それは2流以下の仕事でしょう。それは調律師ではなくてただただ修理人かもしれません。

 

耳を傾け、頭を傾け、集中を濃密にして時間をもって音がでるまで彫刻のごとく掘り下げていく必要があるはずです。

然るべきところの修理と新しい弦。どういった方向性でまず音がでるのか?

不安です。

 

はやく弾いてもらいたいピアノへ整えていく予定です。

やりたいときだけやりたいことだけしていてはいつまでも同じ自分、壁は突破できませんよ。とレスリングのメダリストが言ってました。夏の今、まさにそういった時期ですね。

やりたいことでも必ず厳しさが存在するもんですね。

修理状況

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またか、といわれそうですが、、、

C3BのハンマーきましたドイツのAbelナチュラルフェルト仕様

 

バームクーヘンのような巻がくっきりみえます。

セクション割をして。

こちらのピアノは中古品の展示品ということになります、Abelでそろえるとかなり高価になります。

あまりやりすぎると商売としてのむつかしさ、定価がどんどんあがるということになります。

今回もどうするべきか悩みましたが、来てみて触ってみて後悔のないところがすばらしいハンマーです。

このハンマーでうまく整音ができないとどれもダメではないでしょうか。

アッセンブリ交換にしましたので、ハンマーシャンクも交換しましたので、長く出たところをのこぎりでカット。

きってしまいます。

綺麗な切り口は、無駄な要素がなくなりますので大切な要素です。

スタッフがゴシゴシと汚れを落としてくれていっているところ。

鍵盤は象牙調のアイボリーカラーで揃えました。

真っ白ではなく、ほんのり象牙調の色です。

ちょっとすべて新品で交換してますので傷がなく、使用感のない美しさでお届けできます。

黒鍵黒檀もできればよかったですが、販売価格がどんどんあがりますのでこのへんでやめておきました苦笑

黒檀は、オプションで+5万円程度で交換対応いたします。

 

昨日書きました。

気功のスワイショウ。寝る前にしましたが翌日体軽くやはりものすごい効果があります。

実際、睡眠の状態の脳よりはるかに酸素消費量がすくないようです。

 

案外、多くの方が深いリラックス状態を味わわないのかもしれません。

以前も書きましたが、ヨーガにおいて死体のポーズがあります。

「あっけらかんとこだわりがなく」とリラックスをしていくとどんどん死体のポーズに体が移っていきます。

 

人は死んだときに最高のリラックスができるのかもしれない、とはなかなか面白いことです。

ヨーガで一度死んでみる、そういったことで日々が充実させれること、そういった身体感も東洋の特徴でしょうか。

 

気功も実は健康の「ため」ではないようです。

それ自体が目的であって、まして美容や健康の「ため」ではなくそれ自体を深めていくのが目的だというのは、音楽も同じで知らぬ間に違う市場にとって変わってしまうことがままあること、それも少し似ているかもしれませんね。

今日という日を一日に。

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ライフワーク的に日々思っては、すぐに忘れて一日終わってしまっています。

仕事、というのはつきつめるとサイクルともいえそうです。

皆さん、みなある一定のサイクルを繰り返すともいいかえれそうですそして日々早く過ぎ去ってしまいがちです。

 

仕事以上に日々つきつめたいこと、達成したことをまさにそのものを全身で感じているときは非常に濃密ですが、そのために今我慢してでもやる時間はなんともあっというまに過ぎてしまって自分は記憶が残りません。どちらも大切なんだと思いますが、やはり一日一回はその日を生きたいものです。

 

20才そこそこで出会ったものが東洋的な身体感です。

あさるように図書館で色々読んでました。

この時期にものの考え方や感受性が一気に変わってしまいました。

その出会いはかげがいのないもので、偶然のきっかけと幸運のもので今の自身を決めてしまっている出来事ともいえます。

 

その中で「気功」があります。

何もえたいのわからない力で人を吹き飛ばすものは一面でしかないようで、本来はエネルギーの根本である気を充実させるのが目的の身振りなんだそうです。

 

その中で今も定期的にしていものがあります。

スワイショウといって、ただただ手をぶらぶらするだけ、それだけなんですが奥が深くて、じっとしているよりぶらぶらしてるほうが簡単にできる瞑想と言った感じです。

 

 

瞑想というと難しそうですが、本から得た情報の中でしか言えませんが、脳を休ませる、絶対の安静状態にするということのようです。リラックスというと何かコーヒーやたばこで、といったかんじでしょうか。

そういったリラックスもあるかと思いますが、完全に何も考えないで心地よさだけを感じて手をぶらぶらしておくといった感じです。

 

ついつい気配りばかりしてしまう方は特に配っている分自分の「気」が減ってしまいやすいようです。

それこそスワイショウはYOUTUBEできっと沢山あがっているはずです。

 

細かいことを書いていると文章で埋め尽くされてしまいます。

効果として

「今この時間」を最も感じやすい動作であることは間違いないようで、ただただ心地よさだけを考えて前後に手を動かすだけです。

 

「次はあれして、これして」頭で他のことばかり考えている時間ほど体はおいてけぼりにあっている、その逆の時間をもつということのようです。

この時間だけは、普段使われるプラス思考、といった今日より明日ではありません、今日の今ここを感じることで体と意識が一体してこそ気が最大になる。

といったこと、それが心身統一ということのようです。

次から次へといくらでも話が派生していってしまいますので、、、実は未来志向は身体感では気が充実しない、なぜなら体は今ここにしかいれない。といったことのようです。

 

「あっけらかんと、あれがほしい、ああなりたい、といったことを考えなければ自ずと気は元へもどる」

そうなのです。この気感というのはすごいもので、そうおもうだけで体の中ですぐに気の動きが変化します。

(もう一つ面白いことを聞きました。自分の体にありがとう、ということなんだそうです、結構非常に恥ずかしいことなのですが、できれば声だしていうとよいらしく、胸に中で気が膨らみをもって充実してくるのがわかります)

 

気が配れて人はあるべき、から背負った鎧をぬげる時間を作るのは体は元気になり、すると意識も健康的になるのは当然のようです。だからこそあっけらかんとしたひとこそ体が強く、風邪もひかないのは本当なんでしょうねきっと。

自分が自分を認められなくなった、自己嫌悪こそ、体が限界に達して心身症や今流行しているうつ病にもなるんだそうです。

 

いつもの景色をいれておきます。

環境汚染でもまだまだ地球は魅力であふれてそうですね。

飛行機にのったことありませんが・・・。

 

 

修理とシュベスターと

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中古品展示のC3B、少し他の仕事もまとまって進み始めました。

足回り。

ここは3本ペダルにするので改造します。

 

のこぎりでカットします。

電動工具もありますが、振動があまりすきでないのと、のこぎりのよさは刃先から木材の温度がかんじられるというのか、その刃先か木材の弾力を感じられます。

ゆっくり落ち着いていけば歯をおろしていくとちょっと瞑想的な雰囲気すらあります。

 

以前きいたことがあります。

なんでも物事、呼吸を感じてやればすべては本来意味深い動きになるということらしいです。

ついつい呼吸を忘れて、今ここにいることをわすれてしまいます。

裏がしてはこんな感じです。

この時代の木工は偉大です。

随所に適材適所の材料がつかわれています。

回転軸も木製。

しかも、ここの木材も粘りを持たしたもので構成されています。

ペダルボックスを割ったところ。

ここの足には、きちんとずれないよう柔らかめでしなりがきくもので構成されています。

この時代のYAMAHAはまだまだ最高です(70年代のGP)

2本から3本へ交換、一番はじめ、この作業をしたときとくに誰から教えてもらってしたわけではありません

まずやってみて、覚えていきます。その中で工房もっているところでも外受けに出しているところがとても多くて驚きました。

結局、毎回毎回しないので特定の場所が集中的に下請けを受けたりしているようです。

普段分解しないところを刃物をいれていくわけですから、なかなか面白い経験になります、と同時に足回りの部品が一式かわっていきますから、消耗品が変わり、ペダリングの潤滑も直して完成できるのが大きなメリットです。いちいち分解してまで潤滑調整されないのが通例です。

 

C3Bは、弦をはりおえて音程を与えるところまで来ています。

ハンマーがまだドイツ輸入品で、こちらへまだきておりません、大変遅くなっているようです。

展示まではもう少しかかります…。ですが山は越えてきました。

最近アップライトを購入したけど長く続きそうだからグランドへ、中古品GPならこの時代のYAMAHAはすばらしいコストパフォーマンスを見せてくれます、その選択もありと思います。

 

 

シュベスター54 早速見に来られて、ご成約になりました。

象牙、黒檀ですから、シュベスターだけでもレアですが、さらにかなりレア中のレアです。

旦那様が理系のお仕事で開発職をされているようです、内部みるなりご説明もしましたが、こちらもそれこそご質問しました。

 

「この部分の樹脂と木材どうおもわれますか?経過はどうですか?」

調律師としてなんでも答えなければなりませんが、畑が違うその道の研究者は大先輩です。

ピアノのことだからなんでも答えなければならない調律師のプライドとかの問題ではありません。聞けることはきかせていただきてまたフィードバックできるほうがよいのです。

 

 

鍵盤一つ、鍵盤したの棚板、あちこち分解して、このピアノの状態のよいところを見てもらいました。

また、鍵盤一つにとっても

「別嬪さん」ということです

背中も別嬪さんで年式よりはるかに若く見せます。

適材適所にきちんとした材料をつかっていて、さらにレンナーアクション採用。象牙黒檀。

 

とにかく広くみせてくれるピアノとしてできてきました。

調整不足の1型のGPより雄弁です(調整した1型は大変優秀なピアノです余談ですがC1よりG1がおすすめです)

 

音は録音も弾奏程度ですが軽くしましたのでまたUPしてみます。

今までの国産では聞けない中低音の広がりは白眉といえ、調整をすすめて入荷状態からはピアノが全然変わってしまいました。

 

YAMAHA KAWAIも優秀なピアノですが、シュベスターは簡単なピアノでないところに魅力もありますね。

次は哀愁のピアノ、イースタインを狙います、これこそライプチヒの名器ブリュートナーのまるっきり模倣品です(ブリュートナーは世界4大メーカーといわれることもあります)

ただ外装が再生しづらかったり色々な問題をクリアしないといけません、これまた適当に修理して安くくして売れるピアノでもありませんからきちんとやるだけで結構なお値段のピアノになってしまいます。

調整次第で音はブリュートナーにかなり似たピアノになりますそれはそれでお楽しみに。

最近の仕事

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シュベスター54、修理中です。

お客様のお問合せも増えてきております。

見に来られますので準備をととのえておくようにします。

 

 

1920年代より創業しています。

日本で3番目に創業でしたか。

とにかく大きく大きく見せるピアノです。

 

 

調整をとりながら、鍵盤の重量がそろうような精度までこのピアノは求めていきます。

ピアノは経年変化しますのでその変化したバランスをとりなおすのも調律師の仕事です。

高音はすでにすばらしい音がでてきています。

 

 

中低音は大きくでようとするので、ここで極端にならないようにバランスをとります。

レンナー社のハンマーがついています。

レンナーはふくよかな音がでますが、当時のものは結構硬くて針を10本ほど折ってしまいました。

 

良い人に使ってもらえればうれしいピアノです。

シュベスターは次いつ入荷するかは全くわかりませんし象牙、黒檀仕様、となればかなり希少で象牙を搭載しながら古くなく今すぐ良い音がでるという意味ではますます希少です。

 

明日の晩にはある程度、形はできてきている予定ですので一旦音をとってみたいと思います。

シュベスター、オオハシなどネット時代でピアノ自身も思わぬ檜舞台に押し出されてびっくりしているはずです。

ネームバリュー先行だけでは困りますので性能を備えてこそシュベスターです。

見た目重視ではないところが、こういったピアノ達の再生の要であるとおもいます。

 

象牙の漂白中

晴れた日にこそ白くなります。

綺麗にした象牙鍵盤で白っぽくみえますね。

せっかくなので鍵盤精度のレベルも高いものでお届けする予定です。

 

以前、Abelハンマーの交換させていただいた先生のところへいってきました。

ハンマーがどう推移しているか。

こちらの先生はかなり繊細なセンサーでピアノをみられる方でこちらもしっかりしないといけません。

さほど荒れていなくて、ハンマーを見ればどういった弾き方で弾かれているかわかってしまいます。

 

 

「どう?交換ときと比べてかわってる?」

 

「はい、ハンマーもそうですが、弾かれてタッチのレベルが落ちてきてますので調整します」

 

先生は、ピティナにも生徒様を出されているようで、いろいろとお話しをききながら。

 

「今はいい音でひかないとね、だからピアノも良い音が出る準備ができていないと」

 

全国大会へもお出しになられているようで、本格的なようです。

アクションをばらして調整しなおします。

 

 

「弾いてみてください」

 

「弾きやすくなったね、こことここと、ここの音が鍵盤の上がり方が他より若干鈍いような気がするから直してほしい」

とのことで直していきます。

 

先生にとっては、いかにもそれにまつわる場所があって調整してもらって、と思われがちですが、奏者の方々は実に様々な言葉で違和感を伝えてこられます。

まず、どういったことをさしているのかを十分に検討してみる。

わかったら、それはどこをさわればよいのか、どうすればよいのか。

それがすぐに理解できて、アクションの動きに照らし合わせてすぐ検討できるときは楽なのですが、そうでないときがあります。この時もそうでした。

 

ですが、こういったときこそ底辺を見直していきます。

細かな誤差を直していって、隣の鍵盤との誤差を調整していくといった感じなのです。

このときはそれにくわえてハンマーをちょっと調整してお渡しして

 

「ああ、治ったわ」

 

実は調律師の裏側はこういったことが多いのです。

先生の言われた言葉とは関連性の低そうな作業であっても、とにかく普遍的に満足する触り心地を整えるといった具合です。

タッチを軽くしてほしい、実際、タッチはおもくなったのにアクションを物理的に無駄をなくせば

「軽くなった」

そんなことはかなりあります。

だからこそアクションの調整ができないと仕事になりません。

 

また、ちょうどピティナをみにいったところでしたので色々と話し込みさせていただきました。

動画の影響で全体として変な演奏は一気に減ったとのことでした。

コンクール受ける受けない、色々な事情もあることかと思います。

 

音楽の根本原理は「心地よさ」だとするならばそれに根付いた音楽こそ価値が高いとされるはずで、図らずとも耳を、体を寄せるものであると思うし、それをより味わい深く達成するために作曲者、奏者ともに装飾、技法や演奏技巧があるという自身の考えは変わりません。なので自身にとって調律技術も同じで、自分の名誉や意地や自我のためにしてしまうとキリがなくて知らぬ間に別物になってしまうのでそういった気持ちでピアノを調整する気持ちはあまりありません。

 

調律師もコンクールがあれば面白いと結構本気で思っています。

弦交換など

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C3Bの巻き線がきました。

新人と封を開けていきます。

銅線は汗や水分は厳禁です。

新品でもあっというまに色が変わってしまいます。

銅の光沢が良く出ています。

レスロー弦を使用しました。

本体へ張り込んでいきます。

二人ですると30分もあれば貼れてしまいます。

ざざっとはりこみました。

指ではじいてみます。

ビーンと新しい音、本来もとめる豊かな倍音がもどり、新しい音になりました。

この状態に新しいハンマーと調整でドカン!というグランド特有の圧倒的なパワーが戻ってきます。

 

ピアノの機種によって、お客様にはハンマー交換のみでは低音の厚みを出すのに時間がかかるので、こちらのピアノの場合は弦の全体交換といっしょにオーダーしてほしい、ということがあります。

一つの交換でバランスが変化しますので、そのピアノの状態でそこだけいじってバランスはどうなのか、そこを見据えないとダメです。

これはメーカー、機種、アクションの状態をみてご案内しないとダメなのでこれは結構経験がいります。

経験から提案する、というのは技術者の仕事でもトップクラスで難しい技術といえます。

 

クロス類も交換していきます。

 

 

C3Bはまだまだ修理が結構残っています、もう少しかかりますね。

午前中の仕事で一日悩みをもって過ごしていました。

随分と疲れてそうやな、とのことで教室の先生が夕食を誘っていただいて、バカ話で過ごしました。

休みはゆっくり過ごす予定です。

すこしガソリン切れの記事になってしまいました。

仕事で連れて行ってもらって

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この仕事で思うこと、お客様へあちこち連れて行ってもらうことが増えました。

遊びに、ということではなくて色々な場面に出会いをいただいてます。

 

調律でお伺いしたお客様で、例えばコンペティションを受験する方などが出演当日、その場にお伺したりさせていただいたりしています。

数人おられますが、皆結構いい線まで行く方が本当に多いです。

 

先日もコンクールの記事を書きましたがまた他のお客様が間もなくピティナコンペティションを受験するようです。

こちらは見に行ったことはありません、名前は結構ききます。

生徒様のお家でみたり、先生のお家では、指導者の賞状もあったりもしますね。

 

 

以前はプロのコンサートこそちょこちょこいってましたが、この仕事につくまではお子様のコンクールなどは見に行ったことはありませんでした。結局GPを買う動機として、お子様の進度が良いというのは考えれば想像のできることなのですが。

 

調律ご訪問のケースにおいてもそのまわりのことなどの話にもなりますし、ピアノに取り組む姿勢も様々で興味深いものです。

今日のお客様は、好きな曲を好きな時に弾いていたい、ということでコンクール自体に執着はさほどなさそうなのですが、良いものをもっていて、主張のある音を出します。

 

コンクールという場所は自身としては、肯定否定などそういったレベルでは見ていなくて、見る立場にも当然ありませんし、ただ良い演奏は生まれやすい場所に成りえると思います。

 

 

中村紘子さんは延べ4000人以上の演奏を聞いてきた、と言ってましたが

 

「人は一夜にして変わりえる」

 

と表現していました。

それほど「劇的な場所」になりえるのではないかと思います。

 

 

調律が終わり、帰り際に前述した生徒様のお母さまへは

「お嬢様には、ぜひ審査の先生達に聞かせてあげたらどう?とお伝えください」

とだけお伝えしました。

お話を聞かせて頂いて、日々弾いているピアノの調律からその鍵盤を通して感じてその自分が出せる言葉の最良のもののつもりでした。

 

舞台に出た瞬間、今までのは全て嘘でも結構、舞台に出ればその時間だけは誰にも邪魔されない自分の時間、持ち時間最大限に思い思いに表現してもらえれば少なくとも聞いている聴衆の一人として最高の拍手で答えたいと思います。

実際問題として将来職業ピアニストとして何を求められるのか、そう思うとこういった感情はまんざらではない、自分はそう思って確信に近いものがあります。

 

調律師の仕事にしてもきっとそうでしょう、普通のことを普通にするならそれが得意な方がすればよいと思っています。

発信する限りは普通のことを発信しているだけならそれこそ意味がありませんし、普通のことを難しくいうならならさら価値が薄いとことでしょう。

 

ピアニスト、これだけの聴衆全員を将来楽しませないといけない仕事です。

 

今を積み重ねた言葉にこそ生きた語りが宿るし、それができるからこそ一夜にして変わりえる、そしてそんな可能性に満ちた奏者こそが職業ピアニストとしての大きな適正をもって、仕事として担っていく、そうゆう役割だと自身は捉えています。

シュベスター54はいりました。

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いきなり、外装あけた状態で見づらいです。

スタッフといっしょに触ってみて。

「大きなものが眠っている」

そんな印象を与えてくれました。

シュベスターのロゴ

綺麗なんです。

下見して、確認してましたから当然なのですがうれしいことです。

弦を抑えるプレッシャーバーも特別な形をしています

レンナーアクション搭載。

 

ルイスレンナー・シュトットガルドと書いてあります。

鍵盤まわり、ほこりなどもキチンと調律で管理されてるのは結構珍しいことです。

ほこりがたまってくると、湿度をもちやすく、虫食いや様々な被害をもってきます。

綺麗な鍵盤まわりの材料。

すでに鍵盤修理を開始しています。

早く早く、進めていきます。

3つほどカシミヤクロスへ交換してみて、ピンの締め付けをチェックします。

いちいちチェックして適材料を探して適当なものを使っていきます。

ピンのささる木材も美しいです。

ピアノを仕上げていくとき、大切なのは基礎のところが基礎として成立しているかという点です。

汚れたクロスのままではピンの上下運動に粘りと、硬化したクロスが柔らかな表情を見えなくしてしまいます。

ここのクロス全交換はなかなか大変で、その後のトルク調整が難しく、結構調律師からも避けられがちです。

交換作業にはいっています。

 

象牙、みえづらいですが模様がはっきりはいっています。

天然木の黒檀を使用。

状態の良いピアノはもちろん存在しますがすぐに弾けるピアノはほぼ存在しません。

縦に横に性能を大きく大きくとった54のシュベスターでチャラチャラしたピアノとは違う質感がはっきりとあります。

「きちんとシュベスター」を目指してやっていきます。

さて、細かくやってどこまでベーゼンドルファーの顔がでてきますでしょうか。

仕上がれば、ご購入希望以外の方も興味半分で弾いていただけます。

お問合せもいただだきはじめておりますので、ご興味ある方は早めに宜しくお願いいたします。

 

YAMAHA C3Bも合間みつけてやっていってます。

弦はすべてはりおわっていて、弦の調整まわり、地味のところでかなり時間を取られます。

ここを乗り越えれば本体まわりは早いです。

コンクール観戦

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ピアノのコンペティションを観戦にいってきました。

少し前まで全く見に行ったことすらなかったのですが、最近少し増えてきました。

 

子供さんが対象になりますが、見たのは14歳以上の部でした。

席について、演奏がはじまります。

様々な演目があってききごたえがありそうです。

中学生もなればもうピアニストのプログラムになってきます。

ショパンやリスト、ラフマニノフ。

皆、その表現と伴って顔をしかめたり、見上げたりと表現意欲を見せてくれます。

もうこういう状況になって随分と久しいと言えるのでしょうが、普段見ない自分にとってこれは相当な早熟だと思います。

プロコフィエフのソナタにしてもラフマニノフの音の絵にしても、中学生が弾くわけです(!)テクニック的にどうこう以前に曲想に良さを感じて弾くというのこと自体に驚きで、すごいことです。

当時の自分は何をきいていたのか、それ以前に音楽というものに触れ始めた時期です。

 

皆、良い演奏で聞かせてくれます。

さらっとした絹のような質感であったり、轟音を鳴らす豪快な音の波や音の向こう側をチラホラみせてくれる方もいました。

 

次へ進む方のすべてを聞いたわけでなくて聞いた中で3人が次のステージへ進むようでした。

プログラムをもってかえっていましたので、さきほどちょうどWEBで結果がでていたのでプログラムを見返してみました。

一人の方はなんというのか、なにか納得させられる、そう思わせる演奏をする方で音が大きい小さい、良い悪い、うまい下手、といった価値観と違うところで力のある演奏で魅せてくれるところがあって、結局納得させられるてしまう、その印象を確かに舞台に残して演奏を終えました。彼女は多少音をひっかけようが何しようが良い方向へ印象残して結局残っていく方だと思いました。

 

一人の方は、圧力があってピアノを目指す女性特有の豪快さをもってました。

 

もう一人の方は、すでに演奏を終えていたようです。

また、覚えているなかでは敢闘賞のような賞を受賞した方々の中で半分くらいの方はきけたようです。

一人の方はベートーベンのソナタの18番の3楽章を弾いてられました。

ベートーベンのソナタというのはコンクールで決して得する演目のように思えないところを個人的に感じます。

バッハやモーツアルト同様、一歩深く入っていってはじめてどうかというところがあるのか、比較される場面としては割と不向きだと個人的に思います、そんな中、立派な受賞だったのではないかと感じました。

彼のソナタは何も後期のソナタにおいてだけでなく学習用として取り扱われすらある初期のソナタこそ、一件楽観的な楽想にみえてそれは仮面でしかなく、初期ソナタ群からすでに器楽曲としての価値の高さ、その高い芸術性と深い洞察、また彼特有の、時に異常な精神的情感をその中ですでにもっているようです。

 

次に今回とても感じたことです。

2曲演奏するとしてもある種の「構成感」をプログラム自体として構築されていることはこれは確かにプラスにはたらきやすいと感じました。例えばとりとめない構成ではなく、ソナタを弾かないにしてもソナタ形式のように構築された構成はある一定の力をもっていて、プログラムの構成感というのは決してあなどれるものではないと感じました。それだけですでに限られた枠に入る、という観点においてはすでに一定の差を感じました。

もちろんご本人の資質に対してベストな選択を各々されているわけでしょうし、そもそもどんな曲が並べられても結局納得させてしまえばよいといえばよいのでしょうし、おそらく禁止されているでしょうが審査員からそのすばらしさに思わず拍手してもらう、拍手させてやろう、そんな気持ちで弾かれる方が好きです。

実際、アルゲリッチが審査していた2010年のショパンコンクール時、入賞者のある演奏があまりにすばらしくて拍手をしてしまったそうなのです。その後、審査員たちは当時の極めて高い資質をもった参加者のショパンを聞いて、我々も教えられた、我々のショパンが変わっていかねばならないことを教えられたと当代きってのショパン弾きの審査員の声として出たようなのです。

 

また、ショパンは難しい、と感じたことです。

多少の荒も後でつじつま合わせておけば、まあまあどうとも聞ける曲すらもあるのに、なぜか彼の曲はちょっとしたことで全体の破綻をきたしやすいようで、フレージング一つ間違うと妙な違和感を聴衆に残しやすい気がしました。

またノクターンでした、まだまだ伸び盛りの年において洗練されたこれまた大変なものが課題にあがったように感じます。

初期のロンドなどはコンクール向きなのではないでしょうか。

スコダ氏が失敗のエチュードという名前でショパンの数曲の練習曲を指摘していました。つまりどのように弾かれてもコンクールにおいてプラスへ出していくことがすでに難しい演目が存在する、と指摘していました。

 

何はともあれ、皆様熱演でした。

まだ中学生です、すばらしい早熟性を皆もっているといえるのは確かだと思います。

まだ少しピアノのまわりでもやっとしているだけで、ちょっとこちらへ流れて届けば、次のステージへ行けた方もおられたように思います。だからもっと強く出して!より、それは「今、当人にとって通らなければならないSTEP」だと、認めてあげる方が、(あくまで長く見ればですが)良いのではないかと自分は思います。ただ悠長なことはいってられないのかもしれないのがなかなか厳しいところでしょうか。

 

 

 

 

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