ヤマハ S6

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今日は、ヤマハ S6でした。
Cは一般モデルなのですが、そのうえに実はSシリーズというのがあります。
その上にフルコンサート。つい最近フルコンサートを純粋に小さくしたものが発売されたようですが、往年の方にとってはSはヤマハの最良のピアノ、プロの家庭用といった感じです。
お値段は500万前後といった感じです。

調律師の方でもSは触ったことがない方がかなりおられると思います。
それほどあまり見かけませんが、サロンホールや奈良でいくと秋篠音楽堂のロビーにあります。
簡単にいうとCラインの工場とは区別してあり、YAMAHAの特別楽器制作所で作られています。YAMAHA本社のお店で聞くときっと
「Cは工場にて、Sは工房にて」
そんな風にきっといわれているはずです。
おそらく「スタインウェイなら1000万ですが、YAMAHA Sなら半額ですよ」
そんな制作コンセプトではないかなと思います。

今回は、はじめてのご依頼でした。

「なんか調子が悪いのです」

とのことで、今まで10年以上同じ会社でお願いされて色々な方が出たりはいったりしたようなのですが、あさってがコンサートで、調律師を変えて何か変化があれば、といった感じだったように思います。
当店へお問い合わせいただきました。

すぐにピアノの前につれていってもらい、パラパラと弾奏。
まるでCシリーズを使いっぱなしにしたような感触でした。
音は伸びない、タッチは抜けない、土台がない、そんな感じでした。
こうゆう症状はいわずもがな調整不足です。本体のデキの問題ではありません。
しかしこういったことになった場合、お客様的には「ああ、このピアノははずれだったのか」とか「Sといってもやっぱり舶来品にはかなわないのか」といったことに至り、仕方なく使っていく方も多いと思います。
結果「やはりピアノは、スタインウェイやベーゼンですよ」といった結論をもってしまっても不思議ではありません。
ベーゼンもスタインウェイも適切な調整具合が必要なのはいうまでもありませんし、逆のパターンも当然あることでしょう。

あまりこの状況のなった原因がどこにあるかなどの指摘などはせず

「とりあえずあさって本番につかえるように調整させていただきます」

とだけお伝えしました。
S6!普段ここにC3 やC5という文字をよくみますが、Sラインの鍵盤ですよ、ということです。
当店ではこのSシリーズは輸入ピアノ同等扱いで17280円の調律代金をいただいております(時間は1時間弱延長してます)

アクション。
アクションをずるずると出しただけで、全体のバランスがよくて木材の組がしっかりしています。
細かなところを合板にしたりと楽器らしくつくられています。

視覚ではなく触感から感じるものを大事にします。

シャンクをささえる再度に縦のすじの補強がはいっています。
現在のCラインもこういった工夫はしてあるとおもいます。

アクション裏。
やはりこまかな補強がはいっていて、このシリーズはコストダウンする気配はありません
補足として、旧S6Bの時代は完全にコンサートラインで作られていました。
その後Eの時代で製造ラインの変更があったはずです。15年よりもう少し前でしょうか。

調律がやりやすいです。
ピンを支える木材が全体が均質で癖がない、まわしてもどる。そんな基本的なことが十分にできる材質です。
Cラインはどうしてもそこまでの材質ではできないかと思いますので、結構グネグネ癖があったり、個体差があります。
最近特にゆるくなったような・・。


この後作業に3時間夢中になってしまったので写真がとれませんでしたが、許される時間内で土台の調整と効果的なタッチまわりをおさえていきました。
土台をちょっと合わせるだけで上に書いた問題の多くが変化しはじめました。
ほんの少しだけなのです、それが弾けるピアノになるかどうかだと思います。ただ土台調整が行われてないことが本当に多いのは現状です。
今日は何の不安もほとんどありませんでした、ピアノが求める方向へやれば・・。
ピアノは十分に信頼しうるピアノでした。
やはりSです、Cとは一線を画した音空間とコンサート成分を含んだ響きがでてきました。
お渡しして「全然違う」と言っていただいた後、外装をざっとふきあげて終了しました。



YAMAHAのピアノづくりはコンサート系のピアノは現在もよりより素材を使い楽器としての意識高く作られています。
一般モデルがなかなかコストがとれない状況ですが、なんとか一般モデルも頑張ってほしいところです。
良いご縁をいただいて感謝の気持ちで一杯です。

そのあとは東大阪へ移動してG2の出荷調整でした。
なんとトラックが後ろに・・。笑
運送屋さんのところで出荷の調整していました。


そして事務所にかえってからは・・・。
最近異常に仕事を増えています・・。自分の依頼の仕事は基本的には自分がやっています。
しかしもうしばらくは限界です。
出荷待ちのお客様は少しお待ちください、少し遅くなりますm(__)m
色々なものを同時に修理しています。

天然黒檀へ交換します。

黒檀はまだ到着してませんが、とにかく時間があれば何かやらないと!

ハンマーローラーの交換。


ご成約のC3の修理なのですが、整形していたので綺麗にみえますが、干渉するところがカチカチです。
ハンマーも同様で、見た目で判断できない部分があります。
こういった弾力が失われた状態を交換し、新品の弾力へ。

ローラーもハンマーもまだまだ到着しませんが、とにかく時間があればはずしていきます。
こんなスキンなどはこの状態でもつかっていっても完全にすり減ってしまうことは基本的にありません。
しかしタッチの目線でいくと硬化した素材はタッチを細め、音を細めていき荒れた音になっていきます。
このあと、十分に良い音で使っていくには交換はしないといけません。
「まだまだ使えます」という言葉はなかなか難しいですね。

何かバタバタしながらこちらも楽しませていただいております。
 
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      コメント一覧

      約20年前にヤマハグランドピアノS6を所有していました。当時の価格で390万円で購入しました。

      • 渡部  健芳さん
      • 2020/09/12 8:21 PM

      お世話になっております
      当時のsはcとはまったく違う音質成分で素晴らしいピアノかとおもいます。
      今よりモデル差があったようにおもいます。

      当店でも機会あればいれていきたい機種です。

      • gclefさん
      • 2020/09/12 11:56 PM
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