調律、できる??

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先日、ふと社内の中で話がでました。

調律って素人の人はできるのか?

 

これはよくライブハウスなどへいくと、明らかに乱れた音を治せたら便利だろうと店主がチューニングハンマー(調律工具)をどこかで手に入れ、調律先にいくと横に無造作においてあることがしばしばあるのです。

 

以前、ホールのスタインウェイの調律の依頼があっていったときもなぜかチューニングハンマーが3つも横に並んでいました。

いかにも、このピアノ用なのでお使いください、といった具合でした。(スタインウェイだろうとベヒシュタインだろうYAMAHAだろうとある程度規格は同じなので同じチューニングハンマーが使用できるのが通例ですが)

 

まず、ライブハウスという特性上、強打が多いこと、自分で直してもまぁベターになればよいだろうというところ、そもそもピアノが古くメンテナンスが行き届いていなくてボロボロなので多少いじっても大丈夫だろうという気持ちとたびたび強打で狂うので経費の問題なども原因につながっているかと思います。

 

では。できるのか。

 

実は、調律師になる前、自身はギターをしていましたのでAの音叉があれば6本弦のギターは合わせることができていました。

これはほとんどのギタリストができます。これに味を占めたのか、まぁできるだろう、とおもったのが誰より自身だったのです。

専門書を読むと、残念ながら他の楽器と違い不可能ですと書かれていました。ほんとに?と。

また絶対音感と他楽器のチューニングをしたことがある人などがほど、こういった気持ちになられる人が多いです。

 

そしてできる、最も思い込んでしまいやすいのは、「自身のピアノなどで工具をもっていたのでやってみて、狂った一本などを修正してみたら直った気がする」それをうまくできると感じたことがある人です。

 

これは調律の基本であるユニゾン調律と呼ばれるものです。

ウワウワン!と誰が聞いてもわかるほどにくるった音を該当弦を見つけて引き上げるとマシになります。

これは調律師の学校にはいって初日に練習します、このユニゾン調律はその日にできる雰囲気をもつ人は半分くらいいます。

遅くても3日くらいかけてやればチューニングピンを痛める痛めない、音色という細かなレベルを覗けば広い的を得るという意味では誰でもできるようになります。逆にこの時点でつまずいているようではこの先は相当キツイ上り坂となってきます。

 

では自身はどうだったか、初日から数日程度はまさ「あれ?上手できてるね、うんうん」と褒められて「調律できる、簡単!」とおもったことでした。

それは運転免許センターでエンストせず発進ができて褒められているようなレベルということにきずくことになります。

 

学校内では毎日全日制で5~6時間ずっとピアノの前で調律をし続けます。

数か月たてば音階づくりがはじまります、このころでは和音の音程差異が聞こえるには期間はまだまだ短すぎます、結局、皆、当初の勢いは薄れ、挫折感で憔悴しきってきます。

それでも毎日毎日やりつづけ、テストでは順番を張り出され晒されるものですから、皆が躍起になって誰よりも彼よりも抜きんでようと居残り練習をして、その一年後、調子が良くて一通りの雰囲気を作れるのが伸び盛りの18.19歳の人達がこれだけの環境で時間をかけて練習してでも30人に1.2人くらいのものでしょう。

1年程度では特に音階づくりと高音の調律は、判別できる耳ができていない人が半分以上ほどになります。(一時期学校で後輩の指導経験があるので傾向がわかります)見方によると、半音の千分の1の誤差を聞き分け調整できる耳が必要になるということになります。

 

2年後卒業して、現場に出ていって綺麗にできたと思って、奏者に渡してはNo!なぜ?間違ったことはしていない。

今度は、調律なのに音色的な問題でNOと言われ始めることになります。そしてプロの調律師の中でもこの問題もクリアしていく人はこれまた少数派に属します。

 

と、書くと大変に見えますが、根気づよくやれば必ずある程度はできるようになるので、先天的な素養の分野ではないと思います。

「膨大な時間と練習が必要である」ということを強調しておきたいと思います。

 

なので、調律を教えてほしいと、一般の人に言われても前述したユニゾン調律の体験程度はしてもらえますが、ここの6度と3度が対応して、ここでは4度5度に誤差をつけて…、低音では短7度が…と説明をしても聞くべき音が聞こえないので説明が通らないと思います。

一通りの調律を覚える耳の訓練は毎日何時間もかけて出来の判断のしてもらえる人のもと長期にわたるしかなく、相当の覚悟をもってやはり専門の養成所にはいり、仲間と刺激をうけながら切磋琢磨するほうが結局は早いです。

ましてお客様のお家で、途中で耳がマヒしてわからなくなったので、と途中で投げ出せるわけもありません。

 

客観的な答えとして、感応調律は全く無理だといわざるを得ません。

整調、修理などは寸法をみながらネジをまわしたり、修理は切ったり張ったりと工作の要素も近く比較的できるといえます。

学校内でも調律のこの膨大な時間をかけるに対して、1工程1工程に対してはずっと少ない時間を当てられますので調律と違って時間の蓄積がありません。

 

外装の研摩や傷補修は、もう少し専門的になりますが、磨きはやりやすく、また、傷補修もある程度のレベルでしたら割とすぐにできるようにもなる人も多いです。

 

文字ばっかりになりました。

ご興味あれば途中まででも苦笑

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